BC078「2023年の振り返り(前半)」
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毎年恒例になりつつある、今年の配信の振り返りです。
配信のリストは以下にまとめてありますので、ご覧ください。今回はこの上半分を振り返りました。
◇2023年ブックカタリスト配信リスト - BCBookReadingCircle
とりあえず、今年一年も大きなトラブルなく続けることができました。おそらく一番の成果がそれでしょう。これもひとえにいつもご視聴くださっている皆様、そしてご支援下さっているサポーターの皆様のおかげです。ありがとうございます。
振り返りの意義
倉下は記録魔ではありますが、振り返り魔ではありません。どちらかと言えば、振り返っている暇があるなら、少しでも何かを前に進めたいという前進主義者と言えるでしょう。そんな私であっても、こうして折りに触れて振り返ることの意義を感じています。
たとえば、今年一年自分がどんな本を読んできたのかという「ヒストリー」をまず忘れています。これはもう、ほんとうに驚くぐらいに忘れています。何冊かは思い出せる本はありますが、それ以外は覚えていないことすら認識できていない状態です。
もちろんそんな状態では、本の中身など推して知るべしです。
人間の記憶などそんなものですし、だから「本」という固定した情報媒体に意味があるわけです。読書メモを作るのも同じです。覚えるためというよりは、忘れてしまったときに(少しだけでも)取り戻せる意義が読書メモにはあります。
もう一つ面白いのは、自分の読書記録を振り返ることで、本を読んでいたときには気がつかなかった「全体像」に気がつけることです。
たとえば、自分が興味を持っているテーマの傾向というのは、「一冊の本」に注目しているだけではまず見えてきません。何冊かの記録を並べるからこそ見出せるパターンがそこにはあるわけです。
また、いろいろ読んでいるうちに「あの話とこの話はつながっているな」と気がつけることがあります。もっと言えば「よくよく考えてみれば、この二つは接続しているぞ」と発見するのです。一度発見した後ならば、その二つのつながりはあまりにも自明なのですが、読んだ本のことをすっかり忘れている状態では、そのつながりは見つけ出せません。
そうした接続によって生成される全体像は、行為の最中よりもむしろ時間置いた振り返りの中でこそ見出せるものです。
その意味で、自分の読書の経験をより広げたり深めたりするために、振り返りは役立つのです。
年報作り
読書において再読が重要であるのと同じように、自分の経験も「再読」することが大切です。特に、毎日をくり返しのパターンに置いているときほど、一度そのパターンから抜け出し、「目の前の一日」よりも少し高い視点で自分の活動を振り返ってみることの意義は高まるでしょう。
ただし、ただ振り返るだけではモチベーションがあがりにくいものです。そこで「日報」ならぬ「年報」を自分宛に(来年の自分が読むくらいをイメージして)書いてみるのがよいでしょう。
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